ベネズエラ、南米と、オリガルヒの復帰

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ベネズエラ、南米と、オリガルヒの復帰

John Wight
公開日時: 2016年5月16日 14:55
Russia Today


Jorge Silva / ロイター

2013年、ベネズエラで、ウゴ・チャベスが亡くなって以来率いてきたニコラス・マドゥロ大統領による非常事態宣言は、ベネズエラのみならず、地域全体にとって、極めて重要な時期であることを示している。

左翼の理想が優勢だった時期の後、南米亜大陸が、保守と反動政治勢力による攻撃という非常に困難な状況のさ中にあることに、もはや議論の余地はない。

この攻撃の狙いは、1998年に、ベネズエラで大統領の座について、ウゴ・チャベスが鼓吹した左翼潮流を押し戻すことだ。彼自身、先住民の出身だが、チャベスは、2002年のアメリカが支援したクーデター未遂に耐えた。癌と二年間戦った後、2013年3月に彼が突然亡くなって以来、彼の死因となった癌は自然発生だったのか、それとも毒を投与された結果なのかをめぐる疑問は消えないままだ。

チャベスが亡くなる前、2009年、ホンジュラスのマヌエル・セラヤ大統領が、ホンジュラス軍によって打倒され、追放された。2012年、上院が弾劾プロセスを開始して、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領が、大統領の座を追われた。エクアドルのラファエル・コレア大統領は、既に2010年、エクアドル軍によるクーデター未遂に耐えたが、エクアドル国内の状況は、緊張したままだ。一方、チャベスが亡くなって以来、アルゼンチン元大統領クリスチーナ・キルチネルが、大統領時代に、国から詐取したかどで、アルゼンチン連邦裁判所に起訴されている。最後に、そして最近、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領が、予算を不正操作したかどでの審理待ちで、大統領職を停止されたが、この手順を、ルセフと彼女の支持者たちは、クーデターだとレッテルを貼っている。

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上記の指導者たちのそれぞれに共通しているのは、彼らが、アメリカによる政治的・経済的支配がない大陸という、ウゴ・チャベスの構想を支持し、貧しい人々、何世代にもわたり、社会の隅に追いやられ、貧困にさいなまれるがままにされ、二級、あるいは三級国民として見なされてきた特に亜大陸の先住民への富と資源の再配分を追求してきたことだ。

ベネズエラの現大統領ニコラス・マドゥロはチャベスの最も近しい仲間・支持者の一人だ。彼は前任者が始め、鼓舞した徹底的改革を継続すると誓って、大統領職を引き継いだ。ボリバル主義憲法による後援のもと、その実績は記録に残るものとなっている

キューバと協力して、チャベス政権が開始した大衆読み書き能力向上計画は、実施されたものの中で、最大かつ意欲的なものだったが、その成功は、ユネスコが、2005年にベネズエラを‘文盲のいない国’と宣言して認められた。キューバも、貧しい人々への無料医療の提供を目指した全国での病院建設で、重要な役割を演じた。

一方、国連によれば - ベネズエラの平均余命延長の施策、医療と教育 - 生活の質は、世界でチャベスのもと、2006-11の間、三番目に高い率で向上した。更に、貧困は、2002年の48.6パーセントから、2011年の29.5パーセントに減少した。2013年のチャベス逝去時、ベネズエラでは、所得の不平等も、中南米とカリブ諸国全ての中で、一番低かった。

そうした目ざましい結果を実現すべく、チャベス政権は、ベネズエラ国内の経済支配層に、戦争をしかけ、1,000社以上の資産を没収し、国外のアメリカ巨大石油企業エクソン・モービルとコノコ・フィリップスからも、所有していた油田を国営化した。彼はベネズエラで活動している他の多国籍石油会社の収入のより大きな割合も要求した。

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無料教育、医療や、憲法上の住まいの権利などとともに、基本的な必需品を入手しやすくすべく、価格統制が導入され、ボリバル主義革命は、ベネズエラ国内のみならず、地域全体、そして南の発展途上国全てにおいて、貧者や社会の隅に追いやられた人々にとっての希望の光だった。

外交政策については、全中南米そしてベネズエラ国民に対する、民主主義や、人権や国家主権を蝕む上で、アメリカ政府が果たした役割の歴史をあらゆる機会非難し、アメリカ帝国主義歴史を教育したチャベスは、アメリカ覇権にとっては手ごわい相手だった。彼は、キューバ、中国、ロシアやイラン、つまりアメリカ支配に反対し挑戦している国々との密接な繋がりを求め、作り上げ、地域全体で より緊密な経済的、政治的、および文化的統合を醸成するための無数の構想に着手した。

この政策の果実は、南米南部共同市場、ALBAとして知られている経済的、政治的、文化的統合プロジェクトと、汎中南米テレビ・マスコミ・ネットワーク、テレスールのもとで、自由貿易経済圏の存在として残っている。亡くなる前、チャベスはIMFと世界銀行への依存をやめるための地域開発銀行と地域エネルギー市場の設立という大望を抱いていた。

マドゥロが大統領に就任して以来の世界的な経済的雰囲気と、ベネズエラを経済的、社会的、政治的危機に陥らせるべく、上述のオリガルヒとその支持者が断固として行っているキャンペーンとあいまって、宣言されたばかりの60日間の非常事態が最新の出来事だ。

インフレは急騰し、スーパーマーケットの棚では基本的物資が不足しているが、彼の政治上の敵が、社会不安を醸成するため食料供給を貯蔵しておこなっている巧妙にしたてられた政策だと、マドゥロは非難している。今やカラカスは、世界で最も暴力的な都市という不名誉のレッテルを貼られるようになっている。

ベネズエラが飲み込まれている経済的危機の主要な要素は石油価格の急落だ。投資に肩入れし、貧しい人々の期待を募らせてきた政府が支配する、ベネズエラのように、石油に依存している経済では、現在の社会危機が、社会的激変に急発展する可能性は、余りに現実的だ。

もしマドゥロ政権が、現在直面している反対派が増大する困難をうまく切り抜けることができずに、倒壊すれば、その代わりに現れるのは、過去15年間行われた改革を逆転させて、ベネズエラを‘正当な所有者’に返上すると固く決意した別物だ。もしそのような日が万一到来すれば、アメリカ国務省内でシャンペンのコルクがポンと抜ける音が窓ガラスを割らばかりに鳴るだろう。

かつて、元キューバ大統領フィデル・カストロが、革命のことを“未来と過去の間の死闘”と表現したことがある。

2016年、南米は実に恐るべき速度で、過去に急激に戻りつつある。

ジョン・ワイトは、インデペンデント、モーニング・スター、ハフィントン・ポスト、カウンターパンチ、ロンドン・プログレッシブ・ジャーナルや、フォーリン・ポリシー・ジャーナルを含む、世界中の新聞やウェブサイトに寄稿している。RTやBBCラジオの常連コメンテーターでもある。9/11後のアメリカ反戦運動の専任活動家・幹事になる前、ハリウッドで、映画業界で働いた5年間の回顧録を書いた。書名は『Dreams That Die』で、Zero Booksから刊行されている。彼は現在「アラブの春」における欧米の役割を探る本を執筆中。ツィッター @JohnWight1で、彼をフォローできる。

本コラムの主張、見解や意見は、もっぱら筆者のものであり、必ずしもRTのそれを代表するものではない。

記事原文のurl:https://www.rt.com/op-edge/343201-venezuela-south-america-oligarchs/

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