野球賭博の温床はカネとオンナ

少年時代から野球に打ち込む目標が「甲子園」や「プロ野球」に集約され、
「甲子園に出ればプロ野球に入れるぞ」
「プロに入って活躍すれば金持ちになれるぞ」
「野球選手はオンナにもてるぞ」、
短絡的な動機付けが成功の褒美のように刷り込まれているのが要因

十数年前まで、
夏の高校野球などは普通に街中で賭けの対象になっていた。
甲子園大会の開幕が近づくと、馴染み客の集まる居酒屋やラーメン屋あたりでは、
当然のようにそれぞれの方式で賭けが行われていた

現在も高校野球賭博はあるだろうと思うのは私だけ・・・(笑)


少年野球が青少年の育成に役立つ・・・・これは幻想
かもしれない(大笑)

http://ironna.jp/article/2268
野球賭博の温床はカネとオンナ  球界の貧しき夢が生み出す「黒い霧」

 私は、甲子園でヒーローになり、注目されてプロ入りした選手の母親と会ったとき、素直なつぶやきを聞いて言葉を失った経験がある。
 入団契約後、寮や練習を訪ねた折りに先輩たちを紹介してもらう機会があった。いずれも有名な選手ばかりだったが、それまで自分たちが生活している社会では あまり会ったことのない雰囲気の若者たちだった。わかりやすく言えば、「手塩にかけて育てた息子が、こんな先輩たちみたいになってほしくない」、粗野で無教養、チャラチャラした印象の選手が大半だったというのだ。プロ野球での活躍を祈る一方で、

 「あまりこの世界に長くいてほしくないなあ、この人たちに染まってほしくない、と思いました」
 母親がつぶやいた。せっかく夢にまで見たプロ野球に入ったのに、現実は憧れとかけ離れた空気に満ちていた。それを聞いて、胸が痛くなった。
 むさ苦しい髪の毛、モヒカン的なそり込み、ジャラジャラしたネックレス、だらしないユニフォームの着方、私服姿も清潔感がない……、チームの先輩たちの姿が目に浮かんだ。たしかに野球の技量は抜きん出ている。豪速球、長打力でファンを沸かせる。だが、人として尊敬できる選手と言えるだろうか。
 親がわが子に「このような人物になってもらいたい」と惚れ込む選手がそれほど多くないのがいまのプロ野球の現実かもしれない。
 最近のメディアはそれを「個性」と呼んで面白がる傾向もあるが、「プロ野球選手が子どもたちの模範となる存在」というイメージは幻想になりつつある。

 なぜそのような選手が増えているのか。少年時代から野球に打ち込む目標が「甲子園」や「プロ野球」に集約され、「甲子園に出ればプロ野球に入れるぞ」「プロに入って活躍すれば金持ちになれるぞ」「野球選手はオンナにもてるぞ」、短絡的な動機付けが成功の褒美のように刷り込まれているのが要因ではないだろうか。

 野球界だけでなく、日本中の大人たちも、そんな考えに支配されている。子どもが公園でキャッチボールをしていると、通りかかる顔見知りのおじさんたちが挨拶代わりに、「お、将来は5億円だな」などと、すぐお金の話をする。褒め言葉、社交辞令のつもりだろうが、子どもは高額年俸を頭に描いて公園で野球に熱中しているのではない。ところが日本の空気が知らずしらず、結果がすべて、成功の証は「カネとオンナ」に集約されていないだろうか。女子アナと結婚するプロ野球選手も多い。まるでそれが野球で成功した者のステータス、目指すゴールのようになっている。

 一昨年の日本シリーズのときも巨人選手のスキャンダルが報じられた。一般の社会人より夜の街に繰り出す頻度も高そうだ。日々の目的が、野球でひと旗あげて「お金を儲け、オンナにもてる」、いかにも単純な思考に支配されている傾向は否めない。野球選手の楽しみといえば、試合が終わったら飲みに行くこと、そこで女性との出会いやひと夜の満足を得ることががんばった成果のようになっているとしたら、あまりに貧しい。もちろん、選手全員がそうだとは言わない。だが、年齢のわりに年俸は高いけれど心の貧しい選手たちが、残念ながら少なくない。

小林信也(作家、スポーツライター)

 現役プロ野球選手、しかも巨人選手が野球賭博に関わったニュースは衝撃的に伝えられ、大きな関心事となった。

 伝わり方に少し誤解があると感じるので確認しておく。ニュースで過去の『黒い霧事件』が持ち出された関係もあるだろう。黒い霧事件はプロ野球選手が八百長に関与し、賭けの対象となる試合で勝負を操作した事件だ。巨人選手が「八百長に関与した」と勘違いしている人たちが私の周りにもいる。今回は、非合法的な野球賭博に「賭けていた」事件であって、八百長ではない。だから「罪は軽い」と弁護する気はないが、「どうしてそんなことをやったのかねえ」と不思議に感じる人たちが理解するヒントにはなるだろう。「八百長が悪いのはわかっている。でも、賭けるだけならそれほど問題にならないと思った(あるいは、思わされた)」可能性がある。


 十数年前まで、夏の高校野球などは普通に街中で賭けの対象になっていた。甲子園大会の開幕が近づくと、馴染み客の集まる居酒屋やラーメン屋あたりでは、当然のようにそれぞれの方式で賭けが行われていた。試合ごとに一喜一憂し、「誰が当たったか」で盛り上がるのは、むしろ微笑ましい夏の風物のひとつだった。金額の程度はあるにせよ、少額のお金を賭けて交流を深める習慣は、庶民にとっては生活の潤いであり、憩いでもあった。友人たちとゴルフに行って“握る”のも半ば常識だ。パチンコにしても、あうんの呼吸で成り立っているギャンブルのひとつ。日本社会にはそのように黙認された“賭博”が実際あるだけに、今回の当事者たちも最初からこのような大事件になる認識がなかったのではないだろうか。ある時期から少額でも違法だというプロモーションが行われ、ここ数年は高校野球の賭けも姿を消した(地下に潜った)感がある。
野球賭博問題で新たに笠原将生、松本竜也が関与していたことが発覚し、会見に臨む巨人・久保博球団社長(左)と森田清司法務部長=東京・大手町の読売新聞本社 (撮影・山田俊介)
 社会的にも、その賭けが大がかりで反社会勢力の資金源になっているかどうかが問題視される傾向と同様、野球協約上も、賭けの組織が反社会的勢力かどうか、その点が処分を決める分岐点になるようだ。普段から親しく付き合っている友人が、暴力団とつながりがあるかどうかを確かめる認識は薄かったのではないだろうか。

 事件が発覚した直後、「これで野球くじの導入は難しくなった」、文部科学大臣のコメントが新聞等のメディアに載った。苦虫をかみつぶすような反応。平たく表現すれば、「あいつらのおかげで野球クジ導入がダメになった」という印象だった。世間の空気もそれに呼応し、2020年東京五輪の財源確保のために突然降って湧いた野球クジ導入は白紙に戻った感がある。文科相コメントに突っ込みを入れたメディアは知るかぎりないが、私はひどく滑稽な印象を受けた。

 賭博に手を染めた悪人(巨人選手たち)のせいで、野球クジの導入が暗礁に乗り上げた……。
 野球クジと野球賭博は、法律で認められているかどうか、その収益が反社会勢力の資金源になっているか公的機関の収入になるかの違いはあるが、同じギャンブルに違いない。国が胴元なら健全で、そうでなければ悪なのか?
 プロ野球がクジの対象になることを歓迎しない立場からすれば、今回の事件で野球クジ導入が見送られたら、不幸中の幸いという側面もある。

 野球賭博問題の温床は、野球界の体質、目的設定にあると感じる。
 「暴力団関係者と付き合ってはいけない!」
 「賭博に関わってはいけない!」

 いくらそのような教育をしても、選手たちの趣味、嗜好、普段の価値観やライフスタイルを変えない限り、本質的な改善にはつながらない。

 「高い年俸をもらえるようになったら、困っている人たちを助けるための施設を作りたい」
 「経済的な理由で野球をあきらめる少年たちを支援する基金を作りたい」
 などといった発言は、日本のプロ野球選手からはあまり聞かない。
 「野球を通して人格形成を目指す」のはお題目にすぎず、実際には重視されていない。勝てば官軍、活躍すればその選手を利用してみんなが利益を共有しようと集まってくる。甲子園に出れば理屈抜きに評価され、プロ野球に入ればまたチヤホヤされる。人間的な深みや充実を問わない実状が日本の野球界を貧しくしている。今回の事件もそのような土壌を反映している。

 この事件がプロ野球界に与える影響はそれほど大きいと思わない。というより、すでにプロ野球は深刻な凋落傾向にある。
「巨人軍の選手は紳士たれ」といったフレーズも今回の報道の中で久々に持ち出されたが、巨人の選手が品行方正な紳士だと信じているファン自体がいまやほとんどいないだろう。そういう意味でも、影響が大きいと思わないのだ。

 むしろ、旧態依然とした12球団の組織をどう改革するか。人々の嗜好やライフスタイルが多様化する中で、プロ野球を改めてどう活性化し、人々の日常生活とどうつながってエンターテインメント・ビジネスを盛り上げていくのか。懸命に新しい道筋を創らなければプロ野球は衰退の一途をたどるだろう。今回の事件は、そのような危機感のなさ、改革の機運の欠落を象徴する出来事とも言えるのではないか。

 球団も野球界も、事件の当事者だけを悪人にし、彼らを断罪することで自分たちのクリーンさを強調する姿勢を感じる。当事者が悪人で、野球界は被害者という振る舞いはその通りかもしれないが、十分な認識ではない。野球界全体の姿勢を変えるきっかけにできなければ、後になって影響の大きさを痛感することにはなるかもしれない。

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