権謀術数を巡らしたトルコ、サウジアラビアの自業自得

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権謀術数を巡らしたトルコ、サウジアラビアの自業自得

Finian Cunningham
2016年1月2日
"SCF"

レジェップ・タイイップ・エルドアン・トルコ大統領が、サウジアラビア、サルマーン王とのサミットのため、適切にリヤドに飛んで一年が終えた。会談には、挫折の一年の後、二人の指導者が陣営を固めるかのような雰囲気があった。古い諺にある通り、同病相憐れむ。しかも、トルコとサウジアラビア指導部が互いに慰め合うべき病は深刻だ。

アンカラもリヤドも、地域における両国の軍事計画は、決定的に駄目になってしまったのだ。過去三カ月のロシアのシリア軍事介入は、トルコとサウジアラビアによって、密かに政権転覆の対象とされていたバッシャール・アル・アサド大統領の政権安定化に貢献した。ワシントンや他のNATO諸国も確実に、この犯罪的謀略の一員だ。だが“第一線役”を果たしていたのは、トルコとサウジアラビアだった。

ロシアによって加えられた聖戦傭兵に対する壊滅的打撃は、アンカラ・リヤド協賛の汚い戦争の流れを変え、アメリカ合州国ですら最近、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワ長年の同盟国シリア国家の安定化という戦略的目標実現に成功したことを認めている。

ロシアの石油密輸と兵器輸送路空爆で、トルコがテロ旅団の活動を可能にしていた聖戦代理軍が利用していた補給線が切断された。アンカラのエルドアン政権による共謀のおかげで、傭兵連中が一日に数百万ドル稼いでいたと推計されるが、ロシア爆撃攻撃による石油密輸の大量破壊が、シリアで戦争をしかけているテロリストへの現金と兵器供給をだめにした。

エルドアン大統領が、12月29-30日、サウド王家と新たな“戦略的協力委員会”構築を話し合うためリヤドを訪問していたのも不思議ではない。トルコとサウジアラビアは今や、連中のシリアにおける政権転覆計画のための深刻な資金調達問題に直面している。

サウジアラビアのアデル・アル・ジュベイル外相は、もちろん公にはシリアには触れずに、サミットについてこうのべて、会議の不適切な部分を消し去るべく最善を尽くした。軍事、経済、投資協力を強化するため“会談は、二国間で、高位の戦略協力委員会を設置するという期待を生み出すに至った”。

だが行間を読めば、極めて重要で緊急なサミットの背景は、シリアなのだ。

シリアの情報筋によれば、隣国の政権転覆というトルコ-サウジアラビア取り組みは下記のような形で機能していた。トルコは、兵器と聖戦戦士の兵站補給を行い、シリア国境内に訓練キャンプを設け、一方、サウド王家は、2011年3月の紛争の発端にまでさかのぼる非道な企ての主要資金提供源なのだ。サウジアラビアは、アメリカ中央情報局(CIA)の暗黙の了解を得て、アメリカが供給する膨大な備蓄からの兵器も提供していた。

トルコ南東部と、北イラクの分離主義クルド人に対してエルドアンが再開した軍事作戦と、トルコのかつて繁栄していた経済の全般的下降のおかげで、アンカラは、新オスマン計画に資金を供給するための調達ができなくなっている。既に書いた通り、トルコ-シリア国境沿いのロシア空爆が、違法な密輸貿易資金源を潰してしまった。かくして、財政難のエルドアンは苦境におちいっている。

リヤドの長年のエルドアン・スポンサーも同様だ。石油豊富な王国は、980億ドルという記録的な財政赤字 - サウジアラビア経済の15パーセントもの額で、年を終えた。

サウジアラビアの支配者連中は、今やまずい財政を是正するため、未曾有の緊縮政策に乗り出さざるを得なくなった。フィナンシャル・タイムズの見出し記事は“サウジアラビア、過激な緊縮計画を公表”だ。サウジアラビア国民は、燃料、電気や水道の価格値上げに直面しているが、これは独裁者連中が、生活費を補助する気前の良い助成金で“平民”の不満を、常に金で片付けてきた、サウジアラビアの“社会契約”からの突然の離脱だ。

これは独裁制王国において、社会不安をもたらすことを意味する。何十年もの王家の気前の良さにもかかわらず、サウジアラビアは、とりわけ青年層の高い慢性的失業と貧困に苦しんでいる。これは、石油豊富な湾岸諸国に典型的な不労所得生活というサウジアラビア経済の特徴を反映している。サウジアラビアの総人口2700万人の三分の一もの数が外国からの海外在住労働者で、多くは南アジアから来ており、廉価な奴隷労働力となっている。おかげで、サウジアラビア国民の多数は失業したままという結果になっているが、サウジアラビア石油財源からの“給付”で、これまでの所、彼等を従順にしておけたのだ。

サウジアラビアの国家財政が弱まっている主要な要因は、世界市場での石油価格崩壊だ。わずか五年前、石油価格は、一バレル100ドルを優に越えていた。現在、それが約40ドルにまで下落しており、昨年一年だけでも、23パーセント下落した。

サウジアラビアの国庫歳入の約80パーセントが、石油売り上げに依存している。これと比較すると、ロシアは産業上で、ずっと多角的な経済発展をしているおかげでロシアの石油依存は、約15パーセントだ。

話はここでややこしくなる。サウジアラビアによる石油の過剰生産が世界市場で供給を飽和させることとなり、そこで商品としての価格を押し下げることになったのだ。

ロシアのエネルギー相アレクサンドル・ノヴァクが、市場価格下落の原因は一体誰か疑っている。ノヴァクは、ロシヤ24 TVで今週こうのべた。“サウジアラビアは、今年一日150万バレル増産し、事実上、市場の状況を不安定化させた。”

専門家の中には、サウジアラビアの一見自滅的な政策は、より弱い競合相手を駆逐し、ロシアと共に世界第二の産油国という市場での立場を守ろうとすることが動機だと主張するむきもある。より悪意ある説明は、サウジアラビアは、ロシア経済を損なおうとするワシントン計画を幇助し、扇動したというものだ。

いずれにせよ、結論は、サウジアラビアは、石油で地政学遊びをしたおかげで、自らの権益を更に損なう結果におわったということのようだ。

サウジアラビアの悩みに輪をかけているのは、彼等がイエメンで継続中の戦争だ。南の隣国を9か月も連続爆撃しながら、打倒された傀儡政権を再度据えるという点で、サウド王家は何も達成できていない。この戦争がおわる見込みは全くないように見えるが、それはつまり、王国国庫が負債状態なのに、サウジアラビアは、今年、更なる軍事支出を用意しなければならない。

しかし権謀術数が、トルコとサウジアラビア両国にとって逆噴射する一方で、他の国々にとって、おそらくはある程度、良いニュースだろう。国連が主導するシリア紛争に関する和平交渉が、今後数週間進む中、アンカラとリヤドの敗退は、交渉の席で、ロシアと同盟国シリアの立場を有利にする。

だれの得にもならない風は吹かない。甲の損は乙の得。少なくとも、自らの権謀術策がもとで、トルコとサウジアラビアが自業自得の報いを受けている旋風は、この地域の平和を本気で実現しようとしている当事者にとっては、つかの間の猶予となるだろう。

記事原文のurl:http://www.strategic-culture.org/news/2016/01/02/turkey-saudi-reap-machiavellian-whirlwind.html

テーマ:今日の独り言 - ジャンル:写真

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