イスラエル支配を脱したい欧州

フランスの国内事情・・・・
日本にも、かつて河豚計画があったり・・・満州国

日本国内って・・・です(笑)

http://tanakanews.com/150612israel.htm
イスラエル支配を脱したい欧州
2015年6月12日   田中 宇

 フランスの上層部と、イスラエルの右派勢力との確執が激しくなっている。フランス側は、一方で、国連安保理にパレスチナ国家の創設を認める決議案を出すことや、イスラエルの違法入植地で作られた商品に対するボイコット(BDS運動、Boycott, Divestment and Sanctions)への支持など、パレスチナ和平拒否や入植地拡大を続けるイスラエル右派勢力を攻撃する方向の動きを続けている。BDSは全欧的な運動になっている。しかし同時に、フランスの政治家や財界人は(おそらくイスラエル系の資本家らの圧力を受けて)イスラエル支持発言を行うことを余儀なくされている。仏上層部はイスラエルに対し、攻撃する一方で、支持発言をさせられるというドタバタ劇を演じている。 (An Orange-faced warning call for Israel) (BDS: Israeli government vows to fight international sanctions movement) (Boycott, Divestment and Sanctions From Wikipedia)

 6月3日、フランスの携帯電話会社オレンジ(フランステレコム)のステファン・リシャール会長(CEO)が、エジプトでの記者会見で、いずれイスラエルから撤退すると発表した。オレンジ社は、イスラエルの携帯電話会社であるパートナー社がオレンジのブランドを使うことを許可しているが、パートナー社の携帯電話の基地局はオレンジ社でなくパートナー社自身が設置しており、違法入植地に百機以上の基地局を設けている。リシャールは「明日にでもイスラエルから撤退したいが、法的な問題もあり、パートナー社との契約が切れた時点でイスラエルから撤退する」と表明した。 (Orange says it plans to terminate contract with brand partner in Israel) (Mobile giant Orange seeking to join Israel boycott, CEO says)

 リシャールはあとで「純粋に事業的な決定だ。政治的なものでない」と釈明しているが、オレンジは今春、パートナー社によるブランド利用の10年間の延長を認める契約を結んだばかりだった。加えてオレンジは、傘下の企業(MobilNi)を通じ、エジプトなど中東アフリカで約1億回線の契約を持っている。イスラエルに対するボイコット運動が全欧的に加速するなか、反イスラエル感情が強いエジプトや中東の市民(顧客)の気を引くかのように「明日にでもイスラエルから撤退したい」という表現で発せられたリシャールの発言は、ボイコットに協力する政治的な発言と受け取られた。 (Seeing Orange: Israel aims at BDS, shoots self in the foot)

 仏政府は昨年、自国の企業や国民がイスラエルの違法入植に協力することを禁じる法令を作った。罰則規定のない法令だが「仏政府が株式の25%を持っているオレンジが入植地で基地局を拡大するパートナー社に自社ブランドを使わせていることは、仏政府の法令に違反する」と批判する報告書を今春、フランスの人権団体が発表した。この件は中東でも問題視され、放置すると中東でオレンジの携帯に対するボイコット運動が起こりかねず、それがリシャール発言の背景だった。 (French telecom giant in hot water over Israel partnership)

 しかしリシャールの発言には、イスラエルから「ユダヤ人差別だ」「フランスは1月のシェルリ銃撃事件を忘れたか」などと猛反発が起きた。ネタニヤフ首相も発言を批判した。イスラエル右派から圧力を受けたユダヤ系投資家が、投資面からオレンジに圧力をかけたようで、発言直後からリシャールは釈明に追われた。最初の発言から3日後、リシャールは「イスラエルを支持しています」「オレンジはイスラエルから撤退しません」「イスラエルボイコット運動に反対です」「自分の発言が騒動になって後悔しています」と言い直しをさせられた。それでもイスラエル側は満足せず、リシャールをイスラエルに「招待」し、謝罪と釈明をさせた。哀れな話だ。 (Stephane Richard - Wikipedia) (Richard: Orange 'in Israel to stay') (Orange boss invited to Israel over 'boycott' row)

 フランスのオランド大統領は3月から、国連安保理でパレスチナ国家の独立を承認する決議案を出すことを検討してきた。決議案は、6月末にイラン核問題が解決した後に正式に提案されそうで、早ければ9月に安保理がパレスチナ国家承認を可決するかもしれない。これまで反対してきた米国は、拒否権を発動しない(棄権する)と予測されている。可決されると、国際社会でのパレスチナの発言力が増大し、イスラエルの不利が増す。 (Coming In September: A UN Resolution Establishing A Palestinian State) (U.S. pressing France to postpone UN resolution on Palestine) (続くイスラエルとイランの善悪逆転)

 国連でのフランスの提案は、イスラエルに対する攻撃だ。だがその一方で、フランスのオランド大統領は、政府系企業であるオランジの会長の発言問題が発生した4日後、イスラエルから「仏政府はイスラエルボイコットを支持するのか」と糾弾され、ネタニヤフに電話をかけて「仏政府はイスラエルボイコットに反対です」と伝えた。オランドは、国連安保理でイスラエルを不利にする決議を提案しながら、他方でイスラエルに尻尾をふっている。リシャールと同様、オランドも哀れだ。この矛盾した状況に裏には、フランス(など欧州の多くの国)の政財界の上層部でユダヤ系が大きな力を持っており、ユダヤ系の中にイスラエルを支持する(イスラエル右派の言いなりにならざるを得ない)勢力が多いことがある。 (Hollande reassures Netanyahu of France's anti-boycott stance) (イスラエルとの闘いの熾烈化)

 フランスでは、少し前まで泡沫的な存在でしかなかった右派政党の国民戦線の党首マリーヌ・ルペンが次回の選挙で勝って大統領になる可能性が出てきている。そのマリーヌは5月初め、自分の父親で国民戦線の創設者・名誉顧問のジャンマリー・ルペンを「ホロコースト」(ナチスによるユダヤ人「虐殺」)を否定しているという理由で非難して党から除名する挙に出た。 (Jean-Marie Le Pen suspended by French National Front) (France's Le Pen political dynasty shows signs of crumbling) (After Charlie, an opening for Le Pen)

 父ルペンは、以前からホロコーストの史実性に疑問を投げかけてきた。その父を、娘が今のタイミングで非難・除名した理由は、おそらく、仏政財界で巨大な力を持っているイスラエル右派に対して娘が「私は反イスラエルや反ユダヤではありません。その証拠にホロコースト否定論者の父親を党から追放しました。私が大統領になるのを許してください」と言うためだろう。もしくは、イスラエル右派が、娘ルペンに「大統領になりたいなら父親を除名しろ」と示唆したのだろう。父除名という「踏み絵」を踏んだことで、娘ルペンは大統領に一歩近づいた。 (Jean-Marie Le Pen From Wikipedi) (Jean-Marie Le Pen takes Front National to court) (欧州極右の本質)

 仏政財界は、イスラエル右派の影響力が強いので、祖父がユダヤ系だったサルコジ元大統領が再度大統領に押し上げられる動きを見せたり、今年1月に反イスラム風刺雑誌やユダヤ系商店が銃撃されると、すぐに反イスラムユダヤ支持のプロパガンダ旋風が巻き起こったりする。このような状況を不正義と感じるラディカルな喜劇役者デュードネ・エムバラエムバラが、命をかけてイスラエル右派の横暴を非難し、ホロコースト否定論者として罪に問われたりするのも、フランスがイスラエル右派に牛耳られる現状を示している。 (テロ戦争を再燃させる)

 英国も、フランスと似た状態だ。英国でもBDS運動がしだいにさかんになるなか、英政府はイスラエルに対し「BDSに反対です」と繰り返しお追従を言わせられている。英国では、特に保守党がイスラエル右派の影響下にあり、保守党議員の8割が、イスラエル右派のロビー団体と親密な関係にある。これは米国で保守党にあたる共和党がイスラエル右派と特に親密であることと同様だ。英国はもともと国際支配の技能の源泉が欧州大陸に張り巡らされたユダヤ商人のネットワークにあり、それを諜報網として活用して欧州諸国間の敵対などを誘発し、覇権国になった。大英帝国は「アングロユダヤ帝国」であり、ユダヤ系の影響力が英国で強いのは当然だ。 (New UK business minister vows to expand trade with Israel, slams BDS) (UK politics dominated by Israel lobbyists: Commentator)

(フランスも、昔からユダヤ系資本家の影響力が強かった。フランス革命の本質は、資本家が政策立案者である「市民」が、国家の主導権を王侯貴族やキリスト教会から奪うことにあった) (覇権の起源:ユダヤ・ネットワーク)

 しかし英国やフランスでは今、市民団体や各種の組合などが、イスラエルのパレスチナ占領や人権侵害を非難してイスラエルボイコット運動を拡大している。先日は英国で、映画の監督や作家たちが、映画館やテレビ局などが計画するイスラエル映画祭の開催に反対を表明した。英国では、人権団体である国際アムネスティの内部のイスラエル右派が、英国内で「反ユダヤ」の傾向と戦う新策を打ち出そうとしたが、総会で否決された。「反ユダヤ」取締りのふりをして、イスラエルのパレスチナでの人権侵害を批判する人々を攻撃しようとするイスラエル右派の動きは、論争のすえ、市民運動内部で拒否された。欧州のあちこちでこの手の戦いが起きている。 (British filmmakers want Israeli film festival banned) (Amnesty votes down proposal for U.K. campaign against anti-Semitism)

 EUは、イスラエルの入植地で製造されEU諸国が輸入した商品に、入植地で製造されたことを示すラベルを貼ることを義務づける新法の制定を検討している。ラベル義務化は、イスラエルボイコット運動家たちによるEU各国への政治行動の結果だ。イスラエル政府は猛反対しているが、EUのモゲリニ外相はネタニヤフに「(広範なEU市民の要求なので)ラベル義務化は止めようがない」と伝えている。仏英伊など欧州諸国の政財界はイスラエル右派の影響力が強く、政治家主導でイスラエルをボイコットするのは難しいが、草の根の市民運動が広範にイスラエルを非難し、ボイコットの推進を求める状況下では、イスラエルが欧州の政財界にいくら圧力をかけても「止めようがない」「政府はボイコットに反対ですけど、国民が騒いで止められない」と言われて終わる。 (EU looking into labeling of Israeli settlement products) (EU's Mogherini: Drive to label Israeli settlement products unstoppable)

 欧州の政界は、市民にボイコットを進めさせることで、自分たちを牛耳ってきたイスラエルへの有効な反撃策をやっているとも言える。その上で欧州の政治家は「6月末にイランの核問題が解決したら、欧州でさらにイスラエル非難の市民運動が強まりますよ。早くパレスチナと和平した方が良いですよ」とイスラエルに向かって「友だちとして」忠告したりする。 (Norwegian FM warns Israel: Pressure over Palestinians to resume after Iran deal)

 国際サッカー連盟(FIFA)の会長を辞意表明に追い込んだスキャンダルも、その直前にFIFAでイスラエルを追放することをパレスチナが提案し、FIFAがイスラエル追放の検討を開始していたことと関係していると指摘されている。同事件では、イスラエルの銀行も捜索されている。 (Israel on the Run) (Israel's Hapoalim among banks cited in FIFA indictment) (◆覇権攻防としてのFIFA汚職事件)

 イスラエル右派は1970年代から米政界の中枢に入り込んで米国の覇権戦略の決定権を握り、その影響で、米覇権の傘下にあった欧州でイスラエル右派の影響力が強くなった。米中枢では、1960-70年代のケネディからニクソンの政権にかけて、軍産複合体(英国)によって縛られた冷戦構造を打破しようとする動きが強まった。(冷戦打破派が意図的に過激にやった結果としての)ベトナム戦争の惨敗で、軍産複合体は弱体化し、ニクソン政権下で、米中関係の改善や、世界を米ソ冷戦体制から米欧露中日の5極体制に転換する提案(日本では「極」になるための準備として当時の中曽根防衛長官が対米自立軍事策を立案)など、冷戦体制の崩壊が画策された。 (世界多極化:ニクソン戦略の完成)

 窮地に陥った軍産複合体を助けたのが、米国内のイスラエル右派で、彼らはウォーターゲート事件でニクソンを追い出し、多極化戦略を破壊し、冷戦構造を復活させ、軍産複合体を救った。それ以来、米政界はイスラエル右派に牛耳られ、それまでほとんど問題にされなかった「ホロコースト」をめぐる欧州の「罪」が喧伝されるようになった。 (ホロコーストをめぐる戦い) (ネオコンの表と裏)

 ニクソン政権の世界5極化は、欧州部分が「英仏」とか「英仏独」でなく「欧」であり、これは欧州統合(EU創設)を前提としていた。英国は、米国を牛耳ることで世界を支配し続けられる米単独覇権を好んでいたので欧州統合に入りたくなかった。欧州統合は東西ドイツの再統合、統一ドイツとフランスの国家統合が中心であり、ドイツが欧州大陸の主導権を握る流れだった。イスラエル右派による世界5極化への妨害策の一つが、ホロコーストの「罪」の重大さをドイツに何度も認めさせ、ドイツがイスラエルに逆らえないようにして、ドイツが欧州の主導権を構築して対米従属から離脱するのを妨害することだった。この政治謀略は「ホロコースト産業」と称されて批判されている。 (ドイツの軍事再台頭) (ユーロ危機からEU統合強化へ)

 イスラエル右派による欧州支配は、イスラエルが米国を支配し、米国が欧州を支配していることに基づいている。米国の覇権が低下し、EUが国家統合を強めて米国覇権の傘下から出て独自の「極」になっていく傾向の中で、EUは戦後米国に支配されてきたことの副産物であるイスラエル右派による支配をふりほどこうとしている。EU各国の政治家たちはイスラエル右派に縛られて逆らえないので、市民にBDS運動をさせ、有権者に引っ張られるかたちでイスラエルの影響力を削ごうとしている。 (多極化の本質を考える)

(EUは6月末のサミットで政治財政統合の加速を決定しようとしている。すでに独仏はこの件で合意した。EUは解体でなく統合強化に向かっている。ギリシャがユーロから離脱することはあり得ない。ドイツがそれをさせない。ギリシャが離脱したら危機が南欧諸国に飛び火し、ユーロは解体に瀕する。ギリシャはデフォルトしてもユーロを離脱しない) (David Cameron takes hit as France and Germany agree closer EU ties) (Germany, France Call for Fiscal and Political Union. Public Ignorance Vital for Success of EU Power Grab) (◆ギリシャはユーロを離脱しない) (◆EU統合加速の発火点になるギリシャ)

「ユダヤ人差別」と戦うふりをして欧州を支配し続けるイスラエル右派との戦いは、本質的に「ユダヤ人と非ユダヤ人の戦い」でなく「親イスラエルのユダヤ人と反イスラエルのユダヤ人の戦い(百年戦争の一環)」である。産業革命とフランス革命以来(つまり近現代の始まり以来)欧州の政財界はユダヤ系の力が強い。彼らは自分たちの素性を隠し、隠然した支配を好む「隠れユダヤ人エリート層」(ロスチャイルド家など)である。そこに19世紀末から殴り込みをかけて「お前らユダヤ人ならカムアウトしてイスラエルを支持しろ」と恫喝してきたのがシオニスト(イスラエル建国主義者、昨今のイスラエル右派)のユダヤ人勢力だった。 (イスラエルとロスチャイルドの百年戦争)

 シオニストは、暴露的な「ジャーナリズム」などを活用して隠然ユダヤ人の戦略を破壊し、仕方なくロスチャイルドはイスラエル建国を経済支援しつつ、その一方で国連のパレスチナ分割決議を誘導し、建国されたイスラエルにパレスチナ問題という「原罪」を背負わせた。その後、1970年代にシオニスト(イスラエル右派)が米政界を牛耳り、対米従属の欧州に再び殴り込みをかけてきた。隠然ユダヤ人たちは、その後40年ほど右派の横暴に我慢した末、最近の米覇権衰退、イスラエルの影響力低下などに乗じ、BDSを使って右派を欧州から追い出そうとしている。これが成功すると欧州は、シオニスト支配から隠然ユダヤ人の支配下に戻る。 (ネオコンと多極化の本質)

「ホロコースト」を使って政財界を黙らせて支配するのはシオニストの策であり、隠然ユダヤ人はむしろ被害者だ。欧州では1980年代から、ホロコーストは、南京大虐殺などと同様、第二次大戦中の戦争プロパガンダ(味方の国民を結束させて戦勝するために、敵方の悪辣さを誇張する報道)がもとになっており、構造的に誇張がありうる。ホロコーストの史実性を問われると、シオニストの欧州支配の力が鈍ってしまう。そのため欧州では、ホロコーストの史実性に疑問を呈する者たちを反乱扇動の犯罪者として起訴投獄できる法体系(判例)が作られた(このような私の見方自体、欧州では違法になりうる)。欧州などでの、ホロコーストに疑問を表明することに対する罪は、大っぴらに言論の自由を阻害する、先進諸国ではめずらしい法律だ(言論の自由よりも、ホロコーストの史実性に疑いを持たせないという人道上の施策が重要だと説明されている)。 (イスラエルとの闘いの熾烈化) (ホロコーストをめぐる戦い)

 しかし最近、この戦線でも、新たな驚くべき動きが始まっている。ドイツの公共放送である第1テレビ(ダス・エルステ、Das Erste)が最近、ウルスラ・ハーバーベックのインタビューを初めて放映した。ハーバーベックは、ホロコーストの史実性に疑問を表明し「ドイツ政府などに対し、ホロコーストが史実であるという根拠を示してほしいと何度要請しても無視されている。ホロコーストは史実と思えない」と表明し続けている86歳の知的な女性だ。ドイツのテレビが、ホロコーストの史実性に疑問を呈する発言を放映したのはこれが初めてであり、画期的なことである。 (Holocaust challenged on German tv for the first time ever) (Ursula Haverbeck From Wikipedia)

 第1テレビがインタビューを放映した後、ドイツの捜査当局が、反乱扇動の容疑でハーバーベックの自宅に何度目かの家宅捜索に入り、彼女に対して何度目かの刑事起訴を行った。ドイツでは、公共放送がホロコーストの史実性に疑問を呈する発言を放映し始める一方、司法当局が発言者を以前からの反乱扇動罪で取り締まる(弾圧する)という、相矛盾する動きが並存している。 (German Police storm home of elderly woman who debated "Holocaust")

 ドイツ上層部に、イスラエル右派によるホロコーストを使った支配を打破しようとする(隠然ユダヤ人的な)方向性と、ホロコーストによる支配を維持しようとする(シオニスト的な)方向性が混在している。これは、市民がBDSを加速する一方で、為政者がイスラエルへの追従を続けているフランスや英国と同様の、両義的な状況といえる。これを二枚舌的な状況と見るのは多分間違いだ。シオニストと隠然ユダヤ系との暗闘の表出とみるべきだろう。

 イスラエル政府は、完全に右派に牛耳られている。3月にネタニヤフら右派政党が圧勝した選挙後に作られたイスラエルの新内閣は、外務大臣が置かれていない。イスラエル外務省は、パレスチナ和平を推進したい中道派の牙城だったので、外相が置かれず、ゴリゴリの右派の外務次官(Tzipi Hotovely)のみが置かれ、外務省の管轄は6人の閣僚に分割されて事実上解体された。イスラエル外務省では数年前から、右派が労働組合を握って何カ月もストライキをして外交実務を妨害するなど、右派が外務省を麻痺無力化しようとする策が行われてきた。その策の完成が、今回の外務省解体だ。 (Israeli Diplomats Slam New Coalition as Oversight Split Among 6 Ministers) (Foreign Ministry goes on strike, all Israel's embassies and consulates abroad to close)

 イスラエルの現政権では、パレスチナ和平交渉の担当責任者にもパレスチナ和平に猛反対している右派が任命され、和平交渉の進展は絶望的だ。欧州のボイコット運動は、イスラエルがパレスチナ和平を進めないので行われている。欧州でのボイコットの加速は必至だ。 (Netanyahu puts minister Silvan Shalom, who opposed Palestinian state, in charge of talks with PA)

 右派の主張は「和平してパレスチナ国家の創設を認めると、いずれパレスチナ国家がイスラエルに戦争を仕掛けて潰そうとする。だから和平は認められない」というものだ。しかし実のところ、以前にイスラエルを支配していた中道派の戦略は「パレスチナ国家創設に向けた交渉をやりつつ、その一方でパレスチナ人によるテロ発生を誘導し、和平交渉が永久にまとまらないようにする。米欧は、イスラエルによる和平努力を評価して友好的な関係を維持するが、和平は永久に結実しない」というものだ。表向き穏健な中道派の策は「和平するふり」によってイスラエルの国際地位を維持しつつ、いろいろ口実をつけてずっと和平を実現せず、パレスチナ人が強化されるのを防ぐという、実に巧妙な策だった。イスラエル外務省は、こうした巧妙策の総本山だった。 (中東和平の終わり)

 その外務省を解体し、和平の拒否を半ば公然と表明するイスラエルの右派政権は、実は非常に馬鹿である。欧州も米国も、イスラエルを評価できなくなり、ボイコット運動が世界的に勃興している。イスラエル右派は、自国を亡国の危機に追い込んでいる。右派の多くは1960-80年代に米国から移民してきた。過激な中東政策で濡れ衣的なイラク侵攻を挙行し、米国の覇権を浪費した「ネオコン」はその一派だ。彼らは、実のところ「隠然ユダヤ人」のスパイであり、イスラエル支持者のふりをしつつイスラエルを滅亡に追いやろうとしているのでないか、というのが私の以前からの疑念だ。 (世界を揺るがすイスラエル入植者)

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